〜 Iの連鎖 〜 作者:NAIDEN
誰も君を知らない。
誰も君を知らない。
誰も君を知らない。
君だけしか知らない君を、
僕らは知る由も無い。
だけど。
君という幻想は輝いていた。
君は宗教だ。
君は哲学だ。
君は理論だ。
君は理想論だ。
君は抽象だ。
君は冒涜だ。
君はいない。もういない。
過去に消えたんだ。
もう僕の記憶しか君を残しているものは無いよ。
I LOVE YOU 君という名の
世界のどこにも存在しない、『幻影』を愛していたよ。とても。
小さい頃からずっと傍にいた。二人が引き裂かれる日は
来ないと固く強く信じたよ。
それでも君は目の前にもう二度とあらわれる事は無い。
何故なら君を、僕は食べたから。
世界で一番愛するからこそ、体内の栄養素として吸収したのだ。
一人のナルシストは
自分の中のもう一人の自分が恋人だった。
ナルシストの中の二つの人格は、捕食という形式の統合を果たしたのだ。
世界でたった一人だけの、僕。
自分を愛すれば愛するだけ、
ナルシストは『寂しさ』という名の積み木で城を作る。
組み上げては 壊し
組み上げては 壊し
自分で自分の心を食う、捕食の連鎖を繰り返す。
積み木が壊れる未来が、見えてはいるのだ。
積み木を積む手が、震えながら、止まらない。
無限連鎖に恐怖を感じるとき
『愛』をもって機械的にそれを埋めるのだ。
積み上げては、崩し
積み上げては、崩す
終わらない、ナルシストのラブ・ストーリー
|